音楽療法士リコの独白2)(生野) A Monologue of Rico, Music Therapist2)

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生野 里花
お茶の水女子大学基幹研究院研究員。アメリカ音楽療法協会・日本音楽療法学会認定音楽療法士、公認心理師。野花ひととおんがく研究舎主宰。
私の名前はリコ(利己)です。「クライエントの福利優先」「社会に貢献できる領域の発展」という音楽療法士の義務をいっとき傍に置き、生身で、弱くて、迷いの多いひとりの利己的人間の窓から、音楽療法への思いをそっとつぶやきます。「フテキセツ」な点はなにとぞご容赦いただき、フィクションとしてお読みください。This is quiet fictional sharing of Rico, (selfish-ness) the music therapist, through the lens of a fallible, vulnerable, and often-confused individual.
みんなをうまく組み込める音楽療法の方法
教科書で習った内容だけじゃ、現場は回らない。いやいや、それはあなたが未熟なのです。メソッドや理論どおりにできるよう、頑張れるポイントはまだまだありますよ、勉強してください。それと同時に、最新の理論や、社会の潮流の変化を取り入れて、有用な音楽療法士にならないと、職はありませんよ。
でも、ひとつのメソッドや理論に縛られるセッションは、正直息苦しい。最新の理論や社会の変化にとびついて衣替えするのは、なんだかさもしく感じてしまう。それらも背後には聞きながら、私は目の前の参加者と、自分と、それを出会わせてくれている背景の場と「何が音楽療法なのか」を作りたい。掘り進んだり削られたり粘土をつけられたりして、折り合っていく音楽療法。
その中でとても大事なひとつが、「自分が最も自然に力を発揮できる」方法にすること。自分も臨床の場の登場人物のひとりとして、うまく組み込まれるように常に考えている。それはご都合主義というものかしら?だからときどき、臨床が壁にあたり、「こじれる」のかもしれないけれど。