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りんこまの研究アプローチ

りんこまの
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私たちが大事にするのは、水脈への視線、臨床者であり研究者であること、「途中」をわかちあうことの三つです。

水脈への視線

音楽療法を「地表に見えるもの(結果)」と「地下の水脈(プロセス)」で考えるなら、このプロジェクトは「水脈」に取り組むものです。「水脈」は入りくんでおり、仄暗く、といって人工照明では照らしにくい場所にあるため、「結果」を急ぐ研究では迂回されがちです。
でも臨床者や参加者にとっては、これこそ「音楽療法の経験」そのものです。私たちはそこに分け入ってゆっくり進みます。

臨床者であり研究者であること

臨床者であり
研究者であること

今日、多くの音楽療法現場臨床者が研究活動に距離を感じていると言われます。それは「水脈」での発見、洞察、専門知は、不確かさ、偶発、迷いをも含むものであり、研究として扱われにくいからです。りんこまのメンバーは、臨床者であり研究者でもある立場から、その水脈を辿ります。一般的な研究結果では「無かったこと」になりがちなものに、どのように「栞」をはさみ、どう伝えていくのか。小さな挑戦を重ねながら、足跡を残していきます。

「途中」をわかちあうこと

「途中」を
 わかちあうこと

そのため、私たちは急いで「答え」や「結果」を追い求めることから一旦距離を置きます。「途中」の揺らぎやひらめき、まだ形を結ばない小さな輝きなどがていねいに扱われる必要があるからです。そして、それらをひとりの中の・ふたり以上の人との対流の中で、時間をかけて育てようとします。自分に・人に伝えようともがくことで初めて気づくこと、フィードバックによる広がり、同じ・似た・異なる視点を持つ人との有機的なつながりを大事にします。さらにそれが、プロジェクトの外にも波及し、取り組みがひろがることを期待します。

ここは、水脈研究の「開かれた遊び場」です。

研究の公式概要

研究の公式概要

Research Overview

  • 概要

    本サイトは、科研研究(25K03746)「音楽療法プロセスの検証:実践者と参加者の視点を重視する先進的研究アプローチの開拓」(以下「本研究」)を構成する一部である。
    本研究のテーマは「関係性」と「プロセス」に着目した音楽療法実践の検証であり、検証にあたっては「実践者・参加者の視点」の重視をその独自性とする。そして、①こうした音楽療法研究を拡充するためのポイントの指標化、②先進的な研究手法の開拓、③実践プロセスの研究例の創出、④領域内外への提言を進めるものとする。実践と研究の双方において国内外で実績を積んできた研究代表者・分担者4人(生野里花、伊藤孝子、田原ゆみ、三宅博子)が、各々の知見を活かし密な連携をとって各段階に取り組む。

  • 本研究の背景

    本研究の背景にあるのは、近年の日本の音楽療法研究が介入の標準化と結果の一般化を指向する客観主義的研究に偏りがちで、実践の核を成す「関係性」「プロセス」に踏み込む解釈主義的研究の発展が必ずしも十分とは言えないことである。その結果、日本の文化・言語・社会に根ざして発展した実践が理論形成にまで至らないという現状にも注目している。そこで本サイトでは、研究過程と成果をインタラクティブに公開し、理論と実践が双方向的に発展するサイクルの基盤を創る。

  • 音楽療法の
    概要と特徴

    音楽療法とは、音楽を用いて広義の健康を支援する専門職である。日本音楽療法学会による資格認定開始から27年を経た2024年時点で、わが国の有資格者は累計3759人とされ、病院、高齢者・障がい児/者施設、地域コミュニティなどで勤務している。
    音楽療法の基本的な実践形態は、音楽療法士(以下実践者)と対象者(以下参加者)が互いの関係を育みながら場と音楽を共に経験することである。それゆえ、近接する対人援助職領域(医療、看護、介護、心理、教育、リハビリテーションなど)との共通概念が多くある一方で、次のような関係性・プロセスの特徴を持つ。
    ・「実践者=療法をする者」対「参加者=療法を受ける者」という役割関係に加え、音楽を共有する瞬間・瞬間に個として互いに巻き込まれる関係性が必然的に含まれること
    ・ 療法終結時の結果だけでなく、プロセスの経験自体が療法的意義の一部であること

  • 研究の
    指標ポイント

    本研究の足がかりとしての指標ポイントを、以下のように仮設した。
    ① プロセスは個々の文脈に埋め込まれており、文脈から切り離した一般化はできないこと
    ② いわゆる効果だけではなく、プロセス自体を結果の一部として意味づける方法
    ③ 実践者・参加者間のポジショナリティ
    ④ 参加者に向けられた療法行為の中で、実践者が自身の存在・経験に着目する再帰性
    ⑤ 音楽がプロセスにおいてどのようなはたらきをしているのかを具体的に捉える方法
    ⑥ 専門・学術領域外で研究を必要とする人にも、研究過程や結果を開くこと、多声性
    これらの指標ポイントは単に研究手法の開拓だけでなく、音楽療法領域の認識論そのものを広げる。結果として本領域の学問としての発展、及び社会における活用の拡大が促進されると考える。

  • 音楽療法研究に
    おける関係性と
    プロセスへの視点

    上述のような特徴を活かし、音楽療法が今日の社会にさらに資するための緊急的課題は、その関係性・プロセスを論理的に説明できることである。しかしそれは、無作為コントロール研究に代表されるような、大きな母集団から一般化した結果を導き出す客観主義的研究で検証することが難しい。むしろ、文脈に埋め込まれた事象を丁寧に掘り起こす人文科学的視座や解釈主義的研究が必要である 。
     ここで鍵となるのが関係性・プロセスを実際に経験している実践者及び参加者の視点である。この視点を音楽療法研究に活かすことは、客観主義的研究では扱われることの少なかった実践の内側を明るみに出すことである。それは、領域理論の発展を促すための重要な論拠となるだけでなく、当事者である参加者・実践者に直接益する音楽療法の推進にもつながる。

本研究の問い

本研究の問いを「実践者・参加者の視点に立って音楽療法のプロセスを研究する指標ポイントとはどのようなものか、それに対してどのような研究手法が可能か、そしてその追究は音楽療法領域の実践と理論の双方向的発展にどのように貢献するか」とし、本サイトはそれの一部を担うものとする。

概要

本サイトは、科研研究(25K03746)「音楽療法プロセスの検証:実践者と参加者の視点を重視する先進的研究アプローチの開拓」(以下「本研究」)を構成する一部である。
本研究のテーマは「関係性」と「プロセス」に着目した音楽療法実践の検証であり、検証にあたっては「実践者・参加者の視点」の重視をその独自性とする。そして、①こうした音楽療法研究を拡充するためのポイントの指標化、②先進的な研究手法の開拓、③実践プロセスの研究例の創出、④領域内外への提言を進めるものとする。実践と研究の双方において国内外で実績を積んできた研究代表者・分担者4人(生野里花、伊藤孝子、田原ゆみ、三宅博子)が、各々の知見を活かし密な連携をとって各段階に取り組む。

本研究の背景

本研究の背景にあるのは、近年の日本の音楽療法研究が介入の標準化と結果の一般化を指向する客観主義的研究に偏りがちで、実践の核を成す「関係性」「プロセス」に踏み込む解釈主義的研究の発展が必ずしも十分とは言えないことである。その結果、日本の文化・言語・社会に根ざして発展した実践が理論形成にまで至らないという現状にも注目している。そこで本サイトでは、研究過程と成果をインタラクティブに公開し、理論と実践が双方向的に発展するサイクルの基盤を創る。

音楽療法の概要と特徴

音楽療法とは、音楽を用いて広義の健康を支援する専門職である。日本音楽療法学会による資格認定開始から27年を経た2024年時点で、わが国の有資格者は累計3759人とされ、病院、高齢者・障がい児/者施設、地域コミュニティなどで勤務している。
音楽療法の基本的な実践形態は、音楽療法士(以下実践者)と対象者(以下参加者)が互いの関係を育みながら場と音楽を共に経験することである。それゆえ、近接する対人援助職領域(医療、看護、介護、心理、教育、リハビリテーションなど)との共通概念が多くある一方で、次のような関係性・プロセスの特徴を持つ。
・「実践者=療法をする者」対「参加者=療法を受ける者」という役割関係に加え、音楽を共有する瞬間・瞬間に個として互いに巻き込まれる関係性が必然的に含まれること
・ 療法終結時の結果だけでなく、プロセスの経験自体が療法的異議の一部であること

研究の指標ポイント

本研究の足がかりとしての指標ポイントを、以下のように仮設した。
① プロセスは個々の文脈に埋め込まれており、文脈から切り離した一般化はできないこと
② いわゆる効果だけではなく、プロセス自体を結果の一部として意味づける方法
③ 実践者・参加者間のポジショナリティ
④ 参加者に向けられた療法行為の中で、実践者が自身の存在・経験に着目する再帰性
⑤ 音楽がプロセスにおいてどのようなはたらきをしているのかを具体的に捉える方法
⑥ 専門・学術領域外で研究を必要とする人にも、研究過程や結果を開くこと、多声性
これらの指標ポイントは単に研究手法の開拓だけでなく、音楽療法領域の認識論そのものを広げる。結果として本領域の学問としての発展、及び社会における活用の拡大が促進されると考える。

音楽療法研究における
関係性とプロセスへの視点

上述のような特徴を活かし、音楽療法が今日の社会にさらに資するための緊急的課題は、その関係性・プロセスを論理的に説明できることである。しかしそれは、無作為コントロール研究に代表されるような、大きな母集団から一般化した結果を導き出す客観主義的研究で検証することが難しい。むしろ、文脈に埋め込まれた事象を丁寧に掘り起こす人文科学的視座や解釈主義的研究が必要である 。
 ここで鍵となるのが関係性・プロセスを実際に経験している実践者及び参加者の視点である。この視点を音楽療法研究に活かすことは、客観主義的研究では扱われることの少なかった実践の内側を明るみに出すことである。それは、領域理論の発展を促すための重要な論拠となるだけでなく、当事者である参加者・実践者に直接益する音楽療法の推進にもつながる。

本研究の問い

本研究の問いを「実践者・参加者の視点に立って音楽療法のプロセスを研究する指標ポイントとはどのようなものか、それに対してどのような研究手法が可能か、そしてその追究は音楽療法領域の実践と理論の双方向的発展にどのように貢献するか」とし、本サイトはそれの一部を担うものとする。

メンバー紹介

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生野 里花

Rika Ikuno

本プロジェクト研究代表者。
横浜市立大学独文科卒業後、20代に渡米。West Chester University, Immaculata College, Teachers College Columbia University, Temple University でピアノ演奏、音楽教育、音楽療法を専攻し、30代で帰国。以来日本で音楽療法実践・大学教育・研究に携わり、50代で博士論文「音楽による共生〜音楽療法場面の分析と解釈から〜」(お茶の水女子大学)を書きました。
・アメリカ音楽療法協会・日本音楽療法学会認定音楽療法士、公認心理師。お茶の水女子大学基幹研究院研究員。
・関心分野:音楽療法場面の関係性とプロセス、エスノグラフィー、コンテクストに依存する音楽療法、文学的表現

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伊藤 孝子

Takako Ito

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広島大学大学院博士課程前期(教科教育学)在学中に、広島心理相談室音楽療育部門にて障害児に対する音楽療法を学ぶ。その後、広島大学大学院生物圏科学研究科博士課程後期にて、岩永誠氏の指導の下音楽心理学の研究を行う。博士課程後期退学後、2002年度に岐阜県音楽療法研究所の研究員を勤め、2002年度から名古屋芸術大学教員。2015年よりノルウェーを定期的に訪問しながらコミュニティ音楽療法の実地調査を行っている。名古屋芸術大学総合研究所内音楽療法グループ「マイエ」代表。

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田原 ゆみ

Yumi Tahara

十代の頃より人間と音楽の関係に興味を持ち、東京藝術大学音楽学部楽理科にて音楽民族学を、同大学大学院修士課程にて音楽療法を学ぶ。修了後は病院等において音楽療法の臨床を中心に活動。2015年には臨床の仕事を続けながら昭和音楽大学大学院博士後期課程に進学し、職業としての音楽療法について研究をおこなう。現在はフリーランスの音楽療法士として臨床・研究・教育に従事。日本音楽療法学会認定音楽療法士。横浜相原病院ほか音楽療法士。昭和音楽大学ほか非常勤講師。博士(音楽療法)。

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三宅 博子

Hiroko Miyake

大阪音楽大学クラリネット専攻を卒業後、障害児者施設に勤務しながら音楽療法を学ぶ。そこで得た問いをもとに、神戸大学大学院で研究を始める。2010年「音楽療法の政治性に関する研究―〈制度〉と〈生〉の間から」で博士号取得。2020年より国立音楽大学教員。日本音楽療法学会認定音楽療法士、兵庫県音楽療法士。障害のある人や家族、地域の人と活動する「おとむすび・おんがくクラブ」世話人。
関心領域:音楽療法・コミュニティ音楽・音楽即興
医療・福祉・教育・地域といったどのような場であれ、「音楽」と「生きる」ことが、人と人、人と場、制度や文化のあいだで作られていくありように関心を持っています。

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